夕闇通り探検隊

夕闇通り探検隊 PS1 PS1
ジャンルホラーアドベンチャー
発売日1999年10月7日
対応機種プレイステーション
対象年齢CERO A(全年齢)
開発・販売元EXIT/スパイク
定価5,800円

怖さの中に切なさや懐かしさも兼ね備えた名作

過去にヒューマンから発売された『トワイライトシンドローム』の後継作品である「夕闇通り探検隊」は、ナオ、クルミ、サンゴという個性豊かな中学生達が、陽見市に流れるウワサを検証するゲームである。陽見中学校では、人面ガラスの噂が囁かれていた。ナオは想いを寄せるクルミを誘い、サンゴと共に学校裏の森にある鳥塚に向かう。人面ガラスの不吉な言葉を聞き、ナオは失神する。これを機に、陽見市で囁かれる数々の噂の検証が始まった。

本作のゲームデザインは、1つの町スケールの限定されたマップを高い雰囲気で作りこみ、カレンダー跨ぎのフラグで区切って変化をつけるという理想的な内容である。また、キャラクターや背景世界、都市伝説も怪異譚も学園内ゴシップもひっくるめた「噂」というワンパターンに陥らない小話が単調さを感じさせない。リアルなキャラクター描写と中学生ならではの人間描写も特筆すべきポイントである。

レビューによれば、一部のプレイヤーには難易度が高く、攻略本やサイトを参考にしないとクリアできない点が否定的に受け止められている。また、物語自体は秀逸であるものの、ソフトの値段が高騰しすぎている点や中古でしか買えない点も指摘されている。

一方で、このゲームは人間関係を緻密に描写し、「存在するはずのない“何か”」をよりリアルにプレイヤーが体感できるよう構成されている点が怖さの要因となっている。プレイヤー自身に内在する見えざる恐怖(ホラー)が描かれており、人間の存在自体を辛辣に描いている。主人公たちの身に降りかかる出来事は、ゲームという姿を借りて問題提起された我々自身の課題

であり、それを解決するためにプレイヤーは彼らと共に成長していくことになる。

さらに、「夕闇通り探検隊」は、プレイヤーが解決しなければならない謎やパズルを通じて、ストーリーが進行する。これにより、プレイヤーは物語により深く没入し、陽見市の不思議な伝説や噂に翻弄されることになる。また、複数のエンディングが存在し、プレイヤーの選択や行動によって異なる結末が待っているのも魅力の1つである。

しかし、「夕闇通り探検隊」は、その難解さゆえに、プレイヤーには試練を与えることがある。一部のプレイヤーにとっては、このゲームをクリアするためには非常に根気が必要であると感じるかもしれない。だが、その困難さを乗り越えることで得られる達成感や、キャラクターたちと共に成長していく喜びは、他のゲームでは味わえない独特のものである。

総合的に見て、「夕闇通り探検隊」は、その魅力的なストーリーと緻密なキャラクター描写、怖さを内在させるゲームデザインによって、多くのプレイヤーに愛される作品である。また、ゲームの難易度に関する一部の否定的な意見は、それをクリアした後に得られる達成感や、物語の様々な要素を楽しむためのハードルと捉えることができる。これらの要素が組み合わさった「夕闇通り探検隊」は、ホラーアドベンチャーゲームの傑作として、今後もプレイヤーの記憶に残り続けることでしょう。

プレイ動画・ゲーム実況

【夕闇通り探検隊】#01 人面ガラスの噂

ネットの評判・感想・レビューまとめ

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